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自動車免許をフル活用

vol.6「シルバーステイツ・クラシック・チャレンジレース」後編

いよいよ本番、公道144kmを時速200km超で駆け抜ける!

 青い空とはるか彼方まで続いているかのように見える道。解放感あふれるルート318に魅せられて、勢いと情熱のみで180SXを改造し、横浜港から船でロサンジェルス港までクルマを運んだ

 ロサンジェルス港からは陸送でラスベガスのホテルまでクルマを運んでもらった。船賃、陸送費、USAでの通関料、コンテナ取り扱い手数料、カルネ申請量など含めて約55万円。そのほかレーシングスーツ、グローブ、アンダーウェア、ヘルメットといった本番で使うレーシングギアや飛行機、宿泊代などを含めると、約100万円の冒険ドライブとなる

 当時、手元にあった貯金をすべて注ぐ無謀な冒険ではあったが、自分のクルマで砂漠道を走りたいという熱い思いは軸がぶれることなく突き進んだ

 そしてレース本番、日曜日。
恋焦がれたルート318を気持ちよくドライブする気持ちで参加するのだと平然を装っていたが、スタート直前のシート合わせのときだった。シートをもっと前に出そうと悪戦苦闘していると、ナビゲーターとして助手席に乗り込んだ友人が「シートは一番前だよ」と教えてくれる。どうやら緊張するといつもよりハンドル位置が遠くに感じるものらしい

 スタートは1分置きに1台ずつスタートする。180SXと並んだのはワインレッドカラーのコルベットだった。グリーンチェッカーを振られ、勢いよくアクセルを踏み込んだ。

 ルート318は2車線で基本的には長い直線とゆったりとしたコーナーで形成されている。もっとも長い直線が14マイル(約22.52km)、2番目に長い直線が11マイル(約17.69km)だ。気をつけたいポイントはアップダウンが大きいこと。登りの直線だと先に続く道が真っ直ぐの道なのか、曲がっている道なのかが坂を登りきるまで分からない。コーナーはアウト・イン・アウトのライン取りで2車線使って走行し、途中クルマと遭遇したら左車線から抜くことがルールになっている。

 高まる心音を抑えながらナビゲーターの案内を頼りにアクセルを踏みハンドルを切った。途中、ポルシェやマスタングといったクルマが砂漠道からそれてリタイアしていたのを目にしたが、横転はしていなかったのでそのまま横を通り過ぎた。

 時速200kmで駆け抜ける非日常のドライブ。もっとも緊迫したのは、70マイルの地点にある“ザ・ナロー”と呼ばれるブラインドコーナーが連続する道。ゴツゴツした岩が視界を遮った。ここはルート318でもっともスピードを落とす場所だ。時速200kmからブレーキングして時速160kmまで落として進入。迫り来る崖が恐怖をあおる。
ザ・ナローさえ無事に通過することが出来ればゴールまで残すは16マイル。

 ナローを抜けた瞬間に張り詰めていた緊張のピークから解放されて、そこからは心地よいクルージングをたのしむ余裕が生まれた。そして初めてこの冒険ドライブがまもなく終わることを実感した。

 緊張で見逃していたはずのルート318をしっかりと目に焼き付けながらゴールまでクルマを運んだ。

 

スタート地点となるHikoには早朝から参加クラス別に参加車両が並ぶ。

スタート直前のシート合わせ。極度の緊張をしていることに気づいた瞬間。

グリーンチェッカーを振られて勢いよくスタート。ゴールまで約144km。

無事にゴール地点のLundに到着したクルマに手渡しされる記念メダル。

非日常のドライブが楽しめるルート318

シルバーステイツ・クラシック・チャレンジレース

シルバーステイツクラシックチャレンジで使われる公道はルート318。レース当日ルート318は封鎖され、HikoからLuudまで約144kmの公道が参加者のための道になる。レース本番は緊張のあまり壮大な風景をゆっくりと味わう余裕がなかったが、レース前後の下見走行などではたっぷりとルート318のドライブ空間をたっぷりと堪能した。青い空と砂漠道。広大な風景が広がる空間をクルマで走っていると道とクルマが一体化したかのような錯覚に陥る。とくに約20km続く一本道は、永遠にアクセルを踏み続けたくなるほど心地よい快感が訪れる。ザ・ナローズも高いスピード域で走っていなければ、壮大な景観を目撃できるスポットだ。赤い岩の渓谷を見ながらのドライブは気分爽快。一度訪れれば永遠に忘れることができない道として刻まれるはずだ。

Silver State Classic Challenge(シルバークラシックチャレンジ)
→ http://www.silverstateclassic.com